『亀も空を飛ぶ』
『わが故郷の歌』
『心の羽根』
『パンと植木鉢』
『母と娘』
『カンダハール』
『アフガン・アルファベット』
『ボンベイ』

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2005年9月17日(土)より、岩波ホールにて独占公開
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バフマン・ゴバディ監督 インタビュー

Q:デビュー作の『酔っぱらった馬の時間』では貧しい子供たちを物語の中心に置き、次作の『わが故郷の歌』では大人の世界を描きました。この新作『亀も空を飛ぶ』で再び子供たちを描いたのはなぜですか?

A:初めからそうしようと思っていたわけではありません。私は自分の体験した都会の話を作るつもりでした。ところが『わが故郷の歌』をバグダッドで上映しようと、イラク戦争終結後の03年5月にイラクを訪れたとき、住民たちが直面している多くの悲惨な状況を目にしました。とりわけ、いかなる戦争でも最初の犠牲者になる子供たちの惨状を目の当たりにしたのです。そして誰もそこに救いの手を差し伸べていないようでした。私は特に障害者になった子供たちの姿に打ちのめされました。私は戦争に異議を唱える映画が作りたくなりました。それで私は再びイラクに渡り、子供たちと親しく接しながら生活しました。そのあとで、私は彼らが経験したことを映画に再構成することに挑んだのです。

Q:あなたはアメリカのイラク侵攻を子供たちの目を通して描き、リアルタイムの叙事詩を作り上げました。

A:この映画は大変な困難と厄介な状況の下で作られました。誰かがそこでドキュメンタリーを撮るのならまた別ですが、こういう状況のもとで長篇劇映画を撮るのは非常に困難です。あらゆる瞬間、爆発や銃撃を心配していました。バルザーニ政府(アルビルを首都とするクルディスタン自治政府のひとつ)は、私たちに20人のボディガードをつけてくれました。彼らは撮影の間ずっと私たちを守ってくれたのです。
映画が完成したあと、私は自分がこの映画を愛していることを、素直に認識しました。今まで私は自分の映画を好きになったことはないのに、です。この映画だけは愛していると言えます。なぜならこの作品はあの地方の現在の生活を真に反映しているからです。

Q:アメリカのイラク侵攻に反対する立場から言えば、アメリカにイラク国民やクルド人を解放する意図はなく、ただ地政学的な利益の追求だけがあると思います。あなたのご意見をお聞かせください。

A:その通りだと思います。そうでなかったら40年前に侵攻していたでしょう。多くのクルド人はアメリカに対して幻想を抱いていました。たぶん私もですが。しかし私たちの目は開いています。ひとつの独裁が別のそれに取って代わったということです。

Q:クルドの人々がアメリカの戦車やミサイルで解放されるのでしょうか? ワシントンは80年代を通じてサダム・フセインを支援していました。

A:知っています。ときどき私は、サダムの息子たちの死は、彼らのでっち上げではないかとさえ思います。たぶん息子たちはどこかで生きているでしょう。ショー・ビジネスと同じですよ。
しかしアメリカだけではありません。ヨーロッパの国々も皆、何年もこの地域を略奪してきました。彼らは盗むだけでは飽き足らずに、なぜこうもすべてを破壊してしまうのでしょう。

Q:『亀も空を飛ぶ』は、イラク戦争でサダム政権が倒れてから最初に作られたイラクの映画で、相当な製作費がかかっています。どうやって費用を集めたのですか? またイラクではすでに公開されたのでしょうか?

A:自己資金で製作していますが、借金もしています。今回の作品が最も資金集めに苦労しました。今後はもっと野心的な作品を撮りたいので、資金の問題から解放される日を夢見ています。イラクでは友人たちの協力を得て、この12月にまずバグダッドで上映する予定です。

Q:撮影時はすでにアメリカ軍がいたわけですね。

A:そうです。私はクルディスタン自治政府を通じて、どうにか映画のために米軍ヘリを飛ばしてもらうことができました。内容は伏せたままでしたが。

Q:なぜこれほど子供たちに関心があるのですか? 子役の選び方と演技指導についてもお聞かせください

A:私は狙い通りの最良の選択がしたくて、3ヶ月をかけて出演者を探しました。単に手足のない子供たちを探していたのではありませんよ。あなたがあそこを訪れたら、ものの5分間で多くのそういった子供たちと出会うことでしょう。
私は彼らに演技を指導するのではなく、彼ら自身が持つ個性をフィルムに収めるだけです。あなたが映画で見たものは、彼らそれぞれの実際の人生だと言えます。
行けども行けども地雷があり、この地雷によって子供たちは毎日殺されたり傷ついたりしています。この映画は戦争に関するものです。戦争の悲劇を描いています。子供たちは戦争の衝撃を他の誰よりも内に抱え込んでしまいます。
私はまたある意味で、これは子供たちに関する映画ではない、とも信じています。これは子供時代を持たないまま、大人にならざるを得なかった若者たちについての映画なのです。ヨーロッパなどの地域の大人たちが決して知ることのない苦しみを、この子供たちは彼らの短い人生で経験しているのです。

Q:最後に、風変わりで印象的なタイトルについてお聞かせください。

A:タイトルはいつも印象的なものを心がけています。しかしその意味を説明するのはむずかしい。皆さんに感じ取ってもらいたいと思います。あえてお答えすれば、亀は自分の甲羅を脱ぐことはできません。クルディスタンに暮らす人々もまた、自分の宿命を背負いながら生きています。戦乱の続くこの土地で多くの人々は家財道具を背負いながら、幾つもの山を越え、移動を繰り返してきました。この映画では、自分の子供をいつも背負っているアグリンが登場します。ヘンゴウもまた、両腕がないという宿命を背負って生きています。実際、彼の泳ぐ姿は亀のそれと似ています。彼らを救うのは、アグリンのように空を飛んでしまうことなのかもしれません。

(2004年11月)
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